Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ほうえつクラブ
法悦クラブ
野村 胡堂
Leggi 法悦クラブ (ほうえつクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.176 caratteri · 28 schermate
「佐々村さん」
阿夜子夫人は、椅子と椅子、人と人の間を掻きわけて、安楽椅子の上に崩折れるように掛けて居る、佐々村村一に飛付きました。
「ああ、阿修羅、――矢張り貴女だ」
佐々村村一は、辛くも身を起しました。ひどい苦痛に襲われて居るらしく、唇を噛んで、真っ蒼な額口からはタラタラと冷汗が流れて居ります。
「あなたは、飛んだことをしてくれました――私があれほど申上げたのに」
「…………」
「佐々村さん」
阿夜子は人の見る眼も構わずに、犇々と佐々村村一に取すがりますが、肝腎の村一はそれに応える力もなく、苦痛に痙攣する身体を辛くも椅子の腕木に支え、凝っと中空を見詰めて居る様子です。
「皆さん」
茶谷の滑らかな唇が動きました。
「この法悦倶楽部は、いろいろの方面からエクスタシーを研究しましたが、今日、今夜、私は本当のエクスタシー、身も心も溶け込むような法悦を感じました」
「――――」
それは無気味な声でした。皮肉で尊大で、そのくせ如才なくて、勝誇った者の声です。
「それは復讐の快味です、――私の眼の前で、これ丈けの多勢の観客に見尽され乍ら、私の妻を盗んだ男が死んで行くのです。