Classici giapponesi con furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Leggi 泣虫小僧 (なきむしこぞう) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.906 caratteri · 70 schermate
だと酷評するので、三石は、十七歳の蓮子をかっぱらうと同時に、勘三の所へはちっともやって来なくなった。
「啓坊、泣く奴があるか。お前のお母さんもだらしがないけど、お前もだらしがないぞッ」
勘三は、ひどく空きっ腹で、二三軒回った新聞社が駄目だったし、雨は土砂降りの吹き流しと来てるし、懐は一文なしの空っけつと、朝から御承知のすけで出て来ているのだ。で、背に腹はかえられぬの轍を踏んで、有楽町のガード横丁まで引っかえして来ると、小八というおでん屋へ這入った。
「仕方がないさ、飯でも食べて、蓮子叔母さんとこへ行く事にしようや」
そういって、始めは遠慮っぽく蒟蒻や、がんもどきのたぐいをつっついていたのであったが、根が好きな酒だ。鼻の先きでプンプン匂わされては、
「ええい」
と気合の一つもかけたくなろう。何時の間にか、勘三の前には徳利が四本も並び、四囲は暗くなった。
「何よウびくびくしてンだい! ええ啓坊! 大丈夫だよ。相手はいくらヴァンドンゲンでも、高が落選画家だッ、叔父さんが連れて行けば、四の五のいわさんよ、ええ? あんなサロン絵描きを崇拝するから、三石はついに三石なんだ……おおい酒だ!」