Classici giapponesi con furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Leggi 泣虫小僧 (なきむしこぞう) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.906 caratteri · 70 schermate
「冗談か、ま、女って奴は、都合のいいようにばっかり理屈をくっつけたがる、奇妙なもンだ。――啓吉! 出てお出でッ」
啓吉は、さっとして立ちあがった。
寛子は、頬をふるわせて坐り込んでいたが、啓吉が、障子の陰から呆んやり出て来ると「何ですかッ、啓吉啓吉といってさ」と、跫音荒く、二階へとんとん上って行った。
叔父のそばへつっ立っていると不思議にしゃっくりが止まった。
「叔母さんはよく怒るねえ」
「僕が来たからだろう?」
勘三は愕いたような目をして、啓吉を見上げたが、
「心配するな、叔父さんが後にひかえている。――子供のくせに、ええ? 心細がる奴があるかッ」
「…………」
「ああ、叔父さんだって、まごまごしちゃいられないんだ。啓坊も叔父さんもうんと勉強してさ、ねえ、――そこの煙草を取ってくれよ」
啓吉は銀紙のはみ出たバットを部屋の隅から取って来てやった。
「九州って遠いの?」
「九州か、そりゃッ遠いさ……行きたいか?」
「…………」
「母さんが一番いいんだろう……」
「だって、あのおじさんのいない時には、母さん、うんと僕たち、可愛いがるよ」
「いまに、礼子ちゃんと帰って来るさ、待てるだろう?」