Classici giapponesi con furigana
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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
Leggi 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.269 caratteri · 223 schermate
それは人間が私たちに偽をつかないのも又最良の方便です。その一例を挙げますとわなです。わなにはいろいろありますけれども、一番こわいのは、いかにもわなのような形をしたわなです。それもごく仕掛けの下手なわなです。これを人間の方から云いますと、わなにもいろいろあるけれども、一番狐のよく捕れるわなは、昔からの狐わなだ、いかにも狐を捕るのだぞというような格好をした、昔からの狐わなだと、斯う云うわけです。正直は最良の方便、全くこの通りです。」
私は何だか修身にしても変だし頭がぐらぐらして来たのでしたが、この時さっき校長が修身と護身とが今学年から一科目になって、多分その方が結果がいいだろうと云ったことを思い出して、ははあ、なるほどと、うなずきました。
先生は
「武巣さん、立って校長室へ行ってわなの標本を運んで来て下さい。」と云いましたら、一番前の私の近くに居た赤いチョッキを着たかあいらしい狐の生徒が、
「はいっ。」と云って、立って、私たちに一寸挨拶し、それからす早く茨の壁の出口から出て行きました。
先生はその間黙って待っていました。生徒も黙っていました。空はその時白い雲で一杯になり、太陽はその向うを銀の円鏡のようになって走り、風は吹いて来て、その緑いろの壁はところどころゆれました。