Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わたしのりれきしょ

浅沼稲次郎 私の履歴書ほか

浅沼 稲次郎

Leggi 浅沼稲次郎 私の履歴書ほか (わたしのりれきしょ) di 浅沼 稲次郎 (あさぬまいねじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.264 caratteri · 91 schermate

Aozora Bunko

看守は『忙しい』と簡単に断わったが、こちらはなおもしつこく要求した。それが悪かったらしい。夜九時ごろ看守の詰所に引張り出され『さっき何といったか、もう一度いってみろ』という。『本を貸せといったまでだ』というと『この口で悪たれをついたろう』と言いながら指を二本私の口に突込んで引張り上げ、床の上に転がして寄ってたかって打つ、ける、なぐるという始末。おまけに監房に帰された時は革手錠で後手にくくりあげられていた。革手錠は一週間ぐらいだったが、苦しくてろくろく寝ることも食うこともできなかった。

しかしこれでもまだ軽い方だったというから、いかに震災下とはいいながらむごたらしかったかがわかる。革手錠をはずされてから手錠磨きを命ぜられた。自分の手にかける手錠を自分で磨くのだからこれ以上の皮肉はない。約一ヵ月のち釈放されたが、出迎人は身寄りや友人ではなく早稲田警察の特高であった。仕方なく早稲田警察に行くと『田舎へ帰っておとなしくしてなきゃ検束する』と言い渡された。こうして私はしょんぼり故郷三宅島へ帰った。三宅島は昔流罪人の流された島、まさに「大正の遠島」というところだ。