Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あさまふんかこう

浅間噴火口

豊島 与志雄

Leggi 浅間噴火口 (あさまふんかこう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.938 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

李はいつも親切に面倒を見てやった。ところが或る時、江原がそこに出て行くと、李は椅子に跨って、嬉しげに物語を聞かしてやっていた。若い舞妓と高官の青年との恋愛物語で、その舞妓が一途な愛のために、あらゆる男の誘惑を却けるというような筋だった。江原が側に来ても、李は平気で物語を続けた。

後で、江原は李に注意して、女学生なんかに恋愛物語は控えた方がよかろうと云った。李は承服しなかった。

「あの話は、朝鮮の最も古い古典文学です。春香伝というのです。春香といふのは、女主人公の名前ですが、英語やフランス語に移されてるものでは、表題が春の香りとなっています。春の香りのように美しい話です。普通の恋愛物語とは違います。」

江原は口を噤むの外はなかった。そこに、彼の郷愁みたようなものを感じたのである。

また或る時は、江原もいささか呆れた。この印刷所はどれくらい儲かるかと、李がいきなり尋ねた。経営がやっとのことで儲けなどは少しもないと、江原は正直に答えた。「そうだと思います。」と李は云った。

その平然たる確信の調子に、江原は苦笑もしかねた。李はそれから、活字の仕入れに不行届きな点があること、下受けの仕事は単価が安くて駄目なこと、儲けの多い端物の得意先を開拓する方法が講ぜられてないこと、其他いろいろ、玄人じみた意見を持出して、しまいに