Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あさまふんかこう

浅間噴火口

豊島 与志雄

Leggi 浅間噴火口 (あさまふんかこう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.938 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

「とにかく、もう少し様子を探ってみましょう。」と江原は結論した。

江原が帰ってから、正枝は暫く思案した後、此度は一人で再び李の室に行ってみた。そして机の抽出をあけてみたり押入の中を覗いてみたりしたが、どこもきちんと片付いていて、何かの手掛りになるような書き物の断片さえもなかった。そのうち、正枝は突然顔を赧らめ、急いで室から出た。

三

翌朝、正枝は昨夜よく眠れなかったに拘らず、へんに早く眼をさました。起き上ると、すぐにキヨがとんできた。

「奥さま、李さんが帰りました。」

「え、李さんが……。いつ?」

まだ六時前、キヨまでそれで起されたのだった。李はいつもの調子で、のんきに帰ってきて、顔を洗い、身体中水でふいて、それから、今朝だけ御飯をたべさせてくれと頼み、新聞を読みながら待っていると云って、室に上っていったそうである。

正枝は何かしら慌てた。急いで顔を洗い髪をなでつけ、室の掃除がすむとすぐ、李を呼びにやった。

李は単衣に着かえていて、笑いながらやって来た。

「ずいぶん寝坊ですね。」

正枝は黙って李の顔を見た。微笑の光が眼に浮び、喜色が額や頬にあった。