Classici giapponesi con furigana
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ふどうするちか
浮動する地価
黒島 伝治
Leggi 浮動する地価 (ふどうするちか) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.079 caratteri · 29 schermate
」
「へへえ、そいつは面白い。」
僕も、何か、気味たいのよさを感じた。
「それで、あしこにゃ、子供を学校へやった借金はあるし、年貢は、小作が、きちん/\と納めやせんし、くやんどるとい。」
「そいつもばちじゃ。かまうもんかい。」
敷地に杭を打たれたところへは、麦を刈り取ったあとで、鍬きも、耕しも、植付けもしなかった。夏は、青々とした雑草が、勝手きまゝにそこに繁茂した。秋の末になると、その雑草は、灰色になって枯れた。黄金色にみのった稲穂の真中を、そこだけは、真直に、枯色の反物を引っぱったようになっていた。秋からは、その沿線附近一帯をも、あまり儲けにならない麦を蒔かずに、荒れるがまゝに放って置く者もあった。
冬の始めになった。又、巻尺と、赤と白のペンキ塗りのボンデンを持った測量の一組がやって来た。そして、望遠鏡のような測量機でのぞき、何かを叫んで、新しく、別なところへ持って行って、四角の杭を打ちつけた。杭と杭とをつなぎ合す線は、今度はいくらか蛇のようにうねってきた。
「またもう一つ、別の電車をつくんじゃろうか。」
親爺は、測量をする一と組の作業を見てきて心配げな顔をした。