Classici giapponesi con furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate
散々喚かして置いて、もう好い時分と成ッてから、お政が「彼方へ」と顋でしゃくる。しゃくられて、放心して人の顔ばかり視ていたお鍋は初めて心附き、倉皇箸を棄ててお勢の傍へ飛んで来て、いろいろに賺かして連れて行こうとするが、仲々素直に連れて行かれない。
「いいえ、放擲ッといとくれ。何だか云う事が有ッていうンだから、それを……聞かないうちは……いいえ、私しゃ……あンまり人を軽蔑した……いいえ、其処お放しよ……お放しッてッたら、お放しよッ……」
けれども、お鍋の腕力には敵わない。無理無体に引立られ、がやがや喚きながらも坐舗を連れ出されて、稍々部屋へ収まッたようす。
となッて、文三始めて人心地が付いた。
いずれ宛擦りぐらいは有ろうとは思ッていたが、こうまでとは思い掛けなかッた。晴天の霹靂、思いの外なのに度肝を抜かれて、腹を立てる遑も無い。脳は乱れ、神経は荒れ、心神錯乱して是非の分別も付かない。只さしあたッた面目なさに消えも入りたく思うばかり。叔母を観れば、薄気味わるくにやりとしている。このままにも置かれない、……から、余義なく叔母の方へ膝を押向け、おろおろしながら、