Classici giapponesi con furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Leggi 浮雲 (うきぐも) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.980 caratteri · 222 schermate
「フンお前の用なら大抵知れたもんだ、また『小遣いが無い』だろう」
「ナニそんな事ちゃない」
ト云ッてまた昇の顔を横眼で視て、サッと赤面して、調子外れな高笑いをして、無理矢理に母親を引張ッて、彼方の杉の樹の下へ連れて参ッた。
昇とお勢はブラブラと歩き出して、来るともなく往くともなしに宮の背後に出た。折柄四時頃の事とて日影も大分傾いた塩梅、立駢んだ樹立の影は古廟の築墻を斑に染めて、不忍の池水は大魚の鱗かなぞのように燦めく。ツイ眼下に、瓦葺の大家根の翼然として峙ッているのが視下される。アレハ大方馬見所の家根で、土手に隠れて形は見えないが車馬の声が轆々として聞える。
お勢は大榎の根方の所で立止まり、翳していた蝙蝠傘をつぼめてズイと一通り四辺を見亘し、嫣然一笑しながら昇の顔を窺き込んで、唐突に、
「先刻の方は余程別嬪でしたネー」
「エ、先刻の方とは」
「ソラ、課長さんの令妹とか仰しゃッた」
「ウー誰の事かと思ッたら……そうですネ、随分別嬪ですネ」
「そして家で視たよりか美しくッてネ。それだもんだから……ネ……貴君もネ……」
ト眼元と口元に一杯笑いを溜めてジッと昇の貌を凝視めて、さてオホホホと吹溢ぼした。