Classici giapponesi con furigana
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よくそうのはなよめ
浴槽の花嫁-世界怪奇実話1
牧 逸馬
Leggi 浴槽の花嫁-世界怪奇実話1 (よくそうのはなよめ) di 牧 逸馬 (まきいつま) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.908 caratteri · 96 schermate
これはおいおい花嫁の入浴を厳禁する法律でも出さなければなるまい。だれが言い出すともなくそんな笑い話のような巷のゴシップが、霧に閉ざされたロンドンを中心に行なわれ始めた。川柳の割箸という身花嫁湯にはいり、紅毛人のことだからそんなしゃれたことは知らないが、なにしろあっちでもこっちでも、裸体の花嫁がはいったきり浴槽が寝棺になってしまうのだから、花嫁専門の不思議な伝染病でも流行りだしたように、かすかに社会的恐慌を生じた。
スミスは一つ忘れていたことがある。新聞記事である。もっともどの事件も他殺の疑いなどは毛頭なくたんなる過失として扱われたのだから、大きくは載らない。巷の出来事といったようないわば六号活字の申訳的報道に止まる。が、小さい記事だからあまり人眼に触れまいと思うのは大変な間違いである。新聞というものは、おそろしいほど隅から隅まで読まれているものだ。とにかく眼が多い。閑人が多い。花嫁が浴槽で死んだなどという記事は、ちょっと変っているから、案外長く記憶している人がすくなくなかった。それがこうたびたび、何年か何カ月かおいて、あちこちの「巷の出来事」として現われたのでは、またかというので、いつからとなく、うっすらとした不安と疑念が世間に漂い出すのは当然である。