Classici giapponesi con furigana
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かいいき
海異記
泉 鏡花
Leggi 海異記 (かいいき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.223 caratteri · 37 schermate
とおかしそうに正向に見られて、奴は、口をむぐむぐと、顱巻をふらりと下げて、
「へ、へ、へ。」と俯向いて苦笑い。
「見たが可い、ベソちゃんや。」
と思わず軽く手をたたく。
「だって、だって、何だ、」
と奴は口惜しそうな顔色で、
「己ぐらいな年紀で、鮪船の漕げる奴は沢山ねえぜ。
ここいらの鼻垂しは、よう磯だって泳げようか。たかだか堰でめだかを極めるか、古川の浅い処で、ばちゃばちゃと鮒を遣るだ。
浪打際といったって、一畝り乗って見ねえな、のたりと天上まで高くなって、嶽の堂は目の下だ。大風呂敷の山じゃねえが、一波越すと、谷底よ。浜も日本も見えやしねえで、お星様が映りそうで、お太陽様は真蒼だ。姉さん、凪の可い日でそうなんだぜ。
処を沖へ出て一つ暴風雨と来るか、がちゃめちゃの真暗やみで、浪だか滝だか分らねえ、真水と塩水をちゃんぽんにがぶりと遣っちゃ、あみの塩からをぺろぺろとお茶の子で、鼻唄を唄うんだい、誰が沖へ出てベソなんか。」
と肩を怒らして大手を振った、奴、おまわりの真似して力む。
「じゃ、何だって、何だってお前、ベソ三なの。」
「うん、」
たちまち妙な顔、けろけろと擬勢の抜けた、顱巻をいじくりながら、