Classici giapponesi con furigana
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かいいき
海異記
泉 鏡花
Leggi 海異記 (かいいき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.223 caratteri · 37 schermate
」
女房は夕露の濡れた目許の笑顔優しく、
「ああ、そりゃもう今日明日という内に、直きに娘になるけれど、あの、三ちゃん、」
と調子をかえて、心ありげに呼びかける。
十一
「ああ、」
「あのね、私は何も新しい衣物なんか欲いとは思わないし、坊やも、お菓子も用らないから、お前さん、どうぞ、お婿さんになってくれる気なら、船頭はよして、何ぞ他の商売にしておくれな、姉さん、お願いだがどうだろうね。」
と思い入ったか言もあらため、縁に居ずまいもなおしたのである。
奴は遊び過ぎた黄昏の、鴉の鳴くのをきょろきょろ聞いて、浮足に目も上つき、
「姉さん、稲葉丸は今日さ日帰りだっぺいか。」
「ああ、内でもね。今日は晩方までに帰るって出かけたがね、お聞きよ、三ちゃん、」
とそわそわするのを圧えていったが、奴はよくも聞かないで、
「姉さんこそ聞きねえな、あらよ、堂の嶽から、烏が出て来た、カオ、カオもねえもんだ、盗賊をする癖にしやあがって、漁さえ当ると旅をかけて寄って来やがら。
姉さん船が沖へ来たぜ、大漁だ大漁だ、」
と烏の下で小さく躍る。
「じゃ、内の人も帰って来よう、三ちゃん、浜へ出て見ようか。