Classici giapponesi con furigana
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
Leggi 海難記 (かいなんき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.628 caratteri · 56 schermate
筏の曳行はそれでも一時間ぐらいはつづけられたが、曳くよりもひきずられるほうが多く、端艇で筏を曳行するなどというのは、およそ愚劣な思いつきだということがわかった。そこへ横合から艀が割りこんできた。モーデ中尉は衝突されるのを恐れて曳綱を解き、五分ほどしてまた曳行にかかろうとすると、なぜか総督の端艇もショオマレェの端艇も曳綱を解いていた。モーデ中尉のちょっとした行動がエクスキュウズに利用されたわけだったが、うやむやのうちに四隻ともみな曳綱を捨ててしまった。
「綱が切れた、筏を捨てよう」
どこかの端艇で、誰かのそういう声が聞えた。
四隻の端艇はわれ勝ちに帆をあげ、一斉に東の方へ帆走しだした。百四十九名の人員を乗せた巨大な筏はこうして見捨てられたのである。
七月六日の正午にレコォが、翌七日の午前にラルギュスが、それぞれサン=ルイ島に到着し、英国植民地総督の指定によって、河口に近い水深八トアーズほどの錨地に碇泊した。
レコォの艦長もラルギュスの艦長も、ラ・メデュウズが先着しているものとばかり思っていたが、その姿がない。翌八日、一日待ったが、やはりやって来ない。