Classici giapponesi con furigana
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
Leggi 海難記 (かいなんき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.628 caratteri · 56 schermate
ようやく六十人ばかりの人間を厄介払いをしたところへ、こんな人数を背負いこむのは馬鹿気ているというのであった。どちらも二十五人で同数なのもいけなかった。エスピオの艀が端艇と同行して走りだすと間もなく、陰険な睨みあいが、争闘に発展し、舵も帆の控綱もやりぱなし、総立ちになって掴み合いをはじめた。艀はそれで方向を失い、あッというまに浅瀬に乗りあげてしまった。
エスピオ少尉としては、陸行することは不本意だったが、こういう状態では、このまま航行をつづけることは不可能だと察しをつけ、艀を捨ててサン=ルイまで歩いて行くことにした。
二隻の端艇のほうでもおなじようなことが起っていた。そちらの組の乗員は海上の難行に飽き飽きし、死んでもいいから安全な大地に足をつけたいと熱望していた。エスピオの組が陸行しはじめたのを見てとると、指揮者を脅迫して端艇を擱坐させ、それらの組も陸にあがって来た。
三つの組が一隊になり、苛酷な太陽に焙りつけられ、強慾なモール人に身の皮まで剥がれ、やっとのことでマリゴ川の近くの砂丘まで辿りついたところで、またしてもモール人に取りまかれた。ラルギュスが沖に来たときには、一人一人の身代金の額をきめ、サン=ルイまで送らせようという重大な商議の最中だった。