Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんやのしちょう

深夜の市長

海野 十三

Leggi 深夜の市長 (しんやのしちょう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.982 caratteri · 220 schermate

Aozora Bunko

「そうかも知れないよ。どれ、腹が減ったが、その辺で、ワンタン屋の屋台でも見つけようじゃないか。権之助坂を下れば、どこかに店が出ているぜ。ほう、ひどく冷えてきやがった。……」

「深夜の市長」は寒そうに、鼻を無暗にこすった。

丁度そのときのことだった。一台の空円タクが擦れ違いそうになったが、急にブレーキをかけて、ハタと僕等の側に止った。

「もし……」と運転手は老人の方に声をかけた。

「……」老人は臆する気色もなく、顔をその円タクの方に向けた。

「もうお聞き及びでござんしたら、お許しを蒙ります。先刻よりたいへんお探し申しているようでござります。お帰りならこの車がお供いたしとうござんす。いかがで……」

「ほう、探しているって」と「深夜の市長」はニヤニヤ笑いながら車に近づき、「何処だ、川の向うか」

「詳しいことは存じませぬが、手前は川の向うで言伝りましてござんす。……どうぞお乗りを」

「なにか事件が出来たらしいな。では乗せて貰おう。……どうだネ、お前さんも一緒に乗らんかな」と「深夜の市長」は僕の方をふりかえった。

「……いえ、僕はこの辺で失礼させて頂きます」

実をいうと、その頃僕は「深夜の市長」