Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate

Aozora Bunko

もうそんな報告があったのか」

「群馬県からの報告によると、津田仙等が谷干城の偽物をつれて来て被害民を煽動したので、ために被害民は不穏の形勢を呈せりとある。私は多年の交友で津田君の人と為りはよく知っている。この報告は、無論なにかの間違いだと思ったが……」

「ただの間違いじゃない。ことさら事実を覆おうとしたものだ。腐敗した地方官どものやることはその調子だ」と津田は冷笑して「なにをもって煽動というのか知らんが、とにかく谷将軍は涙をこぼして被害民たちの訴えをきいて帰られた」

「いや谷君ならばそうであろう」と頷いて、榎本はしばらく考えこむ様子だったが「田中君の熱心なことも、貴公などが熱心なことも、私はよく承知している。しかし私は陛下の御名をもって任命さるる地方官の報告を信用せぬわけにはゆかぬ。いっさい地方官を信用せぬということになると、政府は政治を行い得るものでない。今日地方官の日々の報告は貴公等のいうところと全然反対している。貴方等の主張と地方官の主張とは雪と墨、火と氷のようなものである」

榎本の口吻は扉のギイとしまる音のきこえるような工合で、打ち解けた調子が影をひそめた。