Classici giapponesi con furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate
ことの重大さが惻々と目前に迫って感じられて、言葉きびしく遮ろうとしたが、正造はその隙を与えなかった。
「ついては余の儀とちがって、文章のあいだに疎漏があったりしてはならぬ。さればといって前々から準備すれば洩れるおそれがある。余儀なく今夜、あなたの人物と能文家であることを見込んで御依頼に参じた次第だ。野人礼にならわぬ自分が筆を執ったものでは疎漏がある。あなたの添削を煩わすにしくはない、一心にそう思いこんできた。私の衷情を愍み、事情を斟酌して、どうかぜひとも承知してもらいたい。うんといってもらいたい。いや、こういいだしたからには、いやだといわれても私は退きさがらぬ。御迷惑はかけぬ。いや、いや、迷惑とか迷惑でないとか、無論そんな小感情に左右されるあなたではない。これは失言だ。ぜひ頼む、ただひたすらお願いする」
正造は改って深々と頭を下げた。幸徳はようやく言葉を※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)むすきを見出して、
「どうも、そのことばかりは御同意しかねます……」
幸徳もようやく平常の冷静さをとりもどした。だが、その語気は敢えて諌言せずにはいられないという気勢を溜めていた。