Classici giapponesi con furigana
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こなんのおうぎ
湖南の扇
Leggi 湖南の扇 (こなんのおうぎ) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9079 caratteri · 19 schermate
僕は人目には平然と巻煙草を銜えていたものの、だんだん苛立たしさを感じはじめた。
「莫迦! 何を話しているんだ?」
「何、きょう嶽麓へ出かける途中、玉蘭に遇ったことを話しているんだ。それから……」
譚は上脣を嘗めながら、前よりも上機嫌につけ加えた。
「それから君は斬罪と言うものを見たがっていることを話しているんだ。」
「何だ、つまらない。」
僕はこう言う説明を聞いても、未だに顔を見せない玉蘭は勿論、彼女の友だちの含芳にも格別気の毒とは思わなかった。けれども含芳の顔を見た時、理智的には彼女の心もちを可也はっきりと了解した。彼女は耳環を震わせながら、テエブルのかげになった膝の上に手巾を結んだり解いたりしていた。
「じゃこれもつまらないか?」
譚は後にいた鴇婦の手から小さい紙包みを一つ受け取り、得々とそれをひろげだした。その又紙の中には煎餅位大きい、チョコレェトの色に干からびた、妙なものが一枚包んであった。
「何だ、それは?」
「これか? これは唯のビスケットだがね。………そら、さっき黄六一と云う土匪の頭目の話をしたろう? あの黄の首の血をしみこませてあるんだ。これこそ日本じゃ見ることは出来ない。