Classici giapponesi con furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Leggi 湖畔亭事件 (こはんていじけん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.335 caratteri · 137 schermate
私は出来ることなら、女の手をとって、この世の果てまでも落ちのびたく思ったことでした。
ところが丁度そこへ、幸か不幸か妙な出来事が突発したのです。たとえ、その突発事件が起ったところで、もう一つの条件がなかったらあんな騒動にもならないで済んだのでしょうが、どうも不運な(といっては虫のいい話ですけれど)事情が揃っていたのですね。もう一つの事情というのは、実は君の覗き眼鏡です。あの仕掛を僕は前以て知っていたのです。これが僕の悪い癖なんですが、他人の秘密を探る、探偵癖とでもいうのでしょうか、その性質が多分にあって、あの装置なども殆ど最初から知っていたばかりか、君の留守中に部屋へ忍び込んであの鏡を覗いて見さえしたのです」
「一寸待って下さい」
私は河野の言葉の切れ目を待ち構えて、口をはさみました。彼の告白がいつまでたっても、私の疑問の要点に触れぬもどかしさに絶えかねたのです。
「長吉が死んでいないというのは、どうも不合理な気がして仕様がありません。あの脱衣場の夥しい血潮は誰のものなんです。人間の血液だということは医科大学の博士が証明しているじゃありませんか。あれ程の血潮を一体全体どこから持って来たというのです」