Classici giapponesi con furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Leggi 湖畔亭事件 (こはんていじけん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.335 caratteri · 137 schermate
その点が何となく変ではありませんか。それとも、三造が聞いた湯を使う音というのは、犯人が風呂番の帰っているのも知らずに、浴場のタタキの血潮を流していた音なのでしょうか。そんな途方もない、悪夢の様な出来事が本当にあったのでしょうか。しかも一層不思議なのは、三造によれば、その湯を流していた男が、河野らしいというのです。では、非常に馬鹿馬鹿しい想像ですけれど、犯人は外ならぬ河野であって、彼は彼自身を探偵しようとしているのでしょうか。考えれば考える程、この事件は、ますます不思議なものに見えて来ます。
私はそこに佇んだまま、長い間、奇怪な物思いに耽っていました。
「ここでしたか、さっきから捜していたのですよ」
その声に驚いて顔を上げますと、そこには、いつの間に立去ったのか、三造の姿はなくて、その代りに河野が立っていました。
「こんな所で、何をしていらしたのです」
彼はジロジロと私の顔を眺めながら尋ねました。
「エエ、ゆうべの奴の足跡をさがしに来たのですよ。しかし何も残っていません。それで、丁度ここに風呂焚の三造がいたものですから、あれに色々と聞いていた所なのです」