Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆなのたましい

湯女の魂

泉 鏡花

Leggi 湯女の魂 (ゆなのたましい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.936 caratteri · 55 schermate

Aozora Bunko

処へ、かの魚津の沖の名物としてありまする、蜃気楼の中の小屋のようなのが一軒、月夜に灯も見えず、前途に朦朧として顕れました。

小宮山は三蔵法師を攫われた悟空という格で、きょろきょろと四辺をしておりましたが、頂は遠く、四辺は曠野、たとえ蝙蝠の翼に乗っても、虚空へ飛び上る法ではあるまい、瞬一つしきらぬ中、お雪の姿を隠したは、この家の内に相違ないぞ、這奴! 小川山の妖怪ござんなれと、右から左へ、左から右へ取って返して、小宮山はこの家の周囲をぐるぐると廻って窺いましたが、あえて要害を見るには当らぬ。何の蝸牛みたような住居だ、この中に踏み込んで、罷り違えば、殻を背負っても逃げられると、高を括って度胸が坐ったのでありますから、威勢よく突立って凜々とした大音声。

「お頼み申す、お頼み申す! お頼み申す※(感嘆符二つ、1-8-75)」

と続けざまに声を懸けたが、内は森として応がない、耳を澄ますと物音もしないで、かえって遠くの方で、化けた蛙が固まって鳴くように、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。と百万遍。眉を顰めた小宮山は、癪に障るから苛立って喚いたり。