Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たきぐち

滝口

山本 周五郎

Leggi 滝口 (たきぐち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.815 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

と呼ぶ者が十人あまりいるのであった。

「あれはないしょだ」と益村は云った、「これからは先生なんていうんじゃないぞ、――酒を持っておいで」

だんごが空いた燗徳利を集めて立ちあがると、おりうが酒を持ってはいって来た。自分で結ったらしい、油けなしのじみな髷で、さっと水白粉を刷いただけの薄化粧が、こまかくなにかの花を染めだした紫色の単衣と、涼しげな、いい調和をみせていた。

「あらだんごちゃんだったの」おりうは男のような口ぶりで云った、「済まないけれどね、お肴の膳ができてるから持って来てちょうだい」

「はい」とだんごは答え、益村に振り返って云った、「あたしいま云われたこと決して忘れませんわ」

そして出ていった。

「なんのこと」おりうは坐って徳利を持ちながら問いかけた、「決して忘れません、だなんて、なにを仰しゃったんですか」

「きれいだな」益村はおりうの姿を、細めた眼で眺めながら云った、「――きれいだ」

「あの子にもそう仰しゃったのね」

彼は右手をさし出して「こっちへおいで」と云った。おりうは微笑してすり寄り、彼の胸へ肩を押しつけた。彼女の躯はまだほてっているように熱かった。