Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たきぐち

滝口

山本 周五郎

Leggi 滝口 (たきぐち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.815 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

「おまえもそれを望んでいたんじゃあないのか」

「あたしがですか」

「そうじゃあなかったのか」

「ああ」おりうは悲鳴をあげ、片手で安宅の着物の衿を掴んだ、「あなたは人殺しよ、あんな可哀そうな人を殺すなんて、どこでやったの、あの人はいまどこにいるの」

「川端町の裏長屋だ」安宅は小突かれてうしろへさがりながら云った、「――まだ死んではいないかもしれないよ」

「じゃあ生きているっていうんですか」

「わからない」と安宅はあいまいに首を振った、「だがおりうはおれと、いっしょにゆく筈じゃあなかったのか」

おりうは敵意のこもった眼で安宅を睨み、なにも云わずに走りだした。いちど下駄を踏み外して転びそうになったが、はき直そうとはせず、そのままはだしになって走り続け、すぐに町角を曲って見えなくなった。――いまにも消えそうに揺れはためく提灯の光が、町角を曲って見えなくなってから、安宅は刀を鞘におさめながら、「衣笠」の裏をはなれてあるきだし、なにやら満足そうに微笑した。

「脱兎の如しか」と彼は呟いた、「――うまくやってくれよ、芳村」

十四

畠中辰樹が江戸から帰ったのは正月の八日であった。