Classici giapponesi con furigana
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ぶんげいいいんはなにをするか
漱石文明論集
Leggi 漱石文明論集 (ぶんげいいいんはなにをするか) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.837 caratteri · 70 schermate
昔は一遍社会から葬られた者は、容易に恢復する事が出来なかったが、今日では人の噂も七十五日という如く寛大となったのであります。社会の制裁が弛んだというかも知れませんが一方からいいましたならば、事実にそういう欠点のあり得る事を二元的に認めて、これに寛容的の態度を示したのであります。畢竟無理がなくなり、概念の束縛がなくなり、事実が現われたのであります。昔スパルタの教育に、狐を隠してその狐が自分の腸をえぐり出しても、なお黙っていたということがあるが、今はそういう痩我慢はなくなったのである。現今の教育の結果は自分の特点をも露骨に正直に人の前に現わす事を非常なる恥辱とはしないのであります。これは事実という第一の物が一元的でないという事を予め許すからである。私の家へよく若い者が訪ねて参りますがその学生が帰って手紙を寄こす。その中にあなたの家を訪ねた時に思いきって這入ろうかイヤ這入るまいかと暫く躊躇した、なるべくならお留守であればよい、更に逢わぬといってくれれば可いと思ったというような露骨な事が書いてある。昔私らの書生の頃には、人を訪問していなければ可いがと思うてもそういう事をその人の前に告白するような正直な実際的な事はしなかったものである。