Classici giapponesi con furigana
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ぶんげいいいんはなにをするか
漱石文明論集
Leggi 漱石文明論集 (ぶんげいいいんはなにをするか) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.837 caratteri · 70 schermate
とか「何故に」とか不審を打った試しがない。必竟われらは一種の潮流の中に生息しているので、その潮流に押し流されている自覚はありながら、こう流されるのが本当だと、筋肉も神経も脳髄も、凡てが矛盾なく一致して、承知するから、妙だとか変だとかいう疑の起る余地が天で起らないのである。丁度葉裏に隠れる虫が、鳥の眼を晦ますために青くなると一般で、虫自身はたとい青くなろうとも赤くなろうとも、そんな事に頓着すべき所以がない。こう変色するのが当り前だと心得ているのは無論である。ただ不思議がるのは当の虫ではなくて、虫の研究者である、動物学者である。
マードック先生のわれら日本人に対する態度はあたかも動物学者が突然青く変化した虫に対すると同様の驚嘆である。維新前は殆んど欧洲の十四世紀頃のカルチュアーにしか達しなかった国民が、急に過去五十年間において、二十世紀の西洋と比較すべき程度に発展したのを不思議がるのである。僅か五隻のペリー艦隊の前に為す術を知らなかったわれらが、日本海の海戦でトラファルガー以来の勝利を得たのに心を躍らすのである。
下
先生はこの驚嘆の念より出立して、好奇心に移り、それからまた研究心に落ち付いて、この大部の著作を公けにするに至ったらしい。