Classici giapponesi con furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Leggi 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.395 caratteri · 263 schermate
嘘吐きで、お人好しで、人に瞞されやすく、自分の行為に、善悪の識別というものを持たない。彼女は、恩顧をうけた三伝を裏切って、彼が来たことを他の三人に内通したのであったが、その後は、まるで何事もなかったかのように、お悦はケロリとしているのだった。
「当時『船』と云や、もぐりの遊び場の中で、歴としたものだったよ。いまと違って、組が二つほどあってね。『白星組』に『青いリボン組』という、女にだっても、やれ『金の矢』とか『銀の翼』とか、いちいちそれは穿った、船の名前がつけられていたんだよ。それに、お前さんのようなのを小蒸気と云ってね。『水精の蕊』なんて源氏名があったものねえ」
「じゃ、そのとき姐さんは、なんという名だったの」
「私かえ、私は、『ブーランジェ将軍』号さ」
そう云って、しばらく咽喉の奥でクックと含み笑いをしていたが、お悦は、急に何事か思い出したとみえて、
「どう早苗ちゃん、成戸はまだ帰って来ない。淋しいの、お茶引きだのといったところで、こんな渡世も、もう今夜限りだものねえ。私だって、きょうという日を、どれほど今まで待ち焦がれていたか知れないんだよ。誰が、好き好んでやってるわけじゃあるまいし、出来るものなら、さっさと足を洗いたいじゃないか」