Classici giapponesi con furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Leggi 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.395 caratteri · 263 schermate
けれども、高坂三伝が蘇ったということは、これでほぼ確実にされたわけである。彼以外に、彼を除いては、密室を切り破るなどという、離れ業が演じられようか。船場の遺書も自分の運命も――と、左枝は心に、なんとなく曙のようなものを感じてきた。姿のない、地蟲のような三伝に、彼は必死の闘いを挑む決心をしたのである。
やがて、夜が白々と明け初めてきた。
潮鳴りがして、雨を含んだ重たそうな雲が低く垂れこめ、霧はまだ港を鎖ざしている。しかしその日も、迫る恐怖のうちに、やがて夜となった。
すると、彼が占めていた空き部屋の扉を、夜更けて、こっそりと叩く者があった。
「私、今夜はお詫びに来たの。実際、根も葉もない怨みを、執拗く思い詰めていて、今まで、私、ほんとうに悪かったと思いますわ」
早苗は真赤に泣きはらした顔を、左枝の胸のなかに埋めた。波形をなした線、柔らかな呼息、そうして丸い形と、高まった頂きを見せた固い乳房が、左枝を焦だたしいまでに唆りはじめた。
「私、いままで……。貴方を、なんとかしてしまおうとする時は、そりゃ可愛がってあげたの。また、可愛くって可愛くってたまらないときは、どうしても、表面は憎み足りないような、あんな所作をしていたの。