Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Leggi 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.395 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

「それは、同時に久米八もでしょう」

と透き通ったような蒼白い顔を、ピタリと据えて、

「わっしは、ただこれきりしきゃ知らねえのですよ。あの晩、風が止んだのが暁方の三時で、姿が見えないと騒ぎだしたのは、たしか六時十五分前頃だったでしょう。ですが先生、わっしにはなんとなく里虹が、この劇場にまだ、いるんじゃねえかという気がしてならねえのですがね」

そうして、なぜ――と反問したげな法水の顔を見るでもなく、儀右衛門は懐中から、一枚の紙片を取り出した。

それには、思わずも釘付けするような力があったと云うのは、いつぞやクイロスの画中、双生児の足首に捺されてあった異様な図紋の下に、次の文章が記されてあったからだ。

儀右衛門は役どころではなし、里虹を尋ねて、伊右衛門を演ぜしめよ。

「ところが先生、こいつがどう見えても、里虹の筆蹟に違えねえのですがね。それに、いま始めて判りましたが、どう考えたって、この図紋の形は、六本趾を二つ合わせたようで、夷岐戸島にいた、人魚の尾鰭のようじゃありませんか。とにかくこの分らなづくめの謎は、小六爺さんの口一つにかかっているんですが、ひょっとして、一座が割れるようなことでも起りゃしないかと思うと、うっかり口には出せず、まるで身体中の毛が、一本一本逆立つような思いをしながら、今にどこからか里虹が飛び出し