Classici giapponesi con furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Leggi 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.395 caratteri · 263 schermate
もし私が癒るようなら、蕾をそれまで鎖ざしておいて下さいまし――と。
ほんとうを云えば、力を出そうとして、血の気が上ったようなこの花の生々しさに、私、妬みを感じたのでしたわ、ところが叔父さま、まあ不思議な事には、今にも開きそうなこの蕾が、五日たっても十日たっても、何日になっても開こうとはしないのです。
そうして、私の病いも、それと同時に薄皮を剥がすように癒ってゆきました。
ところが、はじめて床を出た今朝、ふと気がついてみますと、この花が私の枕辺から消えているのです。それが叔父さま、いつのまにか『鷹の城』に来ていて、このとおりパッと開いているのではございませんか」
その不思議なアマリリスが、赤い舌のような花瓣をダラリと垂らしているところは、何かもの云いたげであった。
そして、そのいいしれぬ神秘と詩味は、蒼味の強い童話本の挿画のようであったが、今朝の惨劇に時を同じくして起ったこの奇蹟には、なにか類似というよりも、底ひそかに通っている整数があるのではないかと思われた。
法水は、次々と現われてくる謎に混乱してしまったが、まもなく一同を去らしめて、この室の調査を開始した。