Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
らどうせんせい
潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集
谷崎 潤一郎
Leggi 潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集 (らどうせんせい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.093 caratteri · 33 schermate
「えゝと、電車でお帰りでございますか。」
「う、………うん、………」
「それでは停留場までお見送りを、………」
見送られては迷惑なのかも知れないが、相変らず先生は返辞をしないので、記者はずう/\しく喰っ附いて行った。そして何がな話のつぎ穂を見出そうと考えていると、途端に先生の口の中で「う、………」と云う音がして、喉がごろ/\と鳴ったように思えた。
「は?」
と云って記者は、何か云い出そうとしているらしい先生の気勢を迎えた。
「う、………あのう、………」
「はあ?」
「………君は演藝の方の記者をしている?………」
「はあ、………」
「君は、あゝ云う所へは始終出入りをしているの?」
「始終と云うこともございませんが、あの一座には顔馴染の者が大分這入っておりますので、ついでにちょっと寄ってみたのでございます。………」
「はーあ。」
と云ってから、暫く考えた後、
「あの中に生野真弓と云うのがいるね、さっきしまいの幕で踊った、―――」
「へえ、どんな男でございましたかな。」
「いや、女だよ、断髪のせいの高い、亜米利加の国旗で出来た衣裳を着ていた、―――」
「へえ、へえ、あれ、―――あれは私は存じませんが、生野真弓と申しますかな。