Classici giapponesi con furigana
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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
Leggi 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.319 caratteri · 84 schermate
喉笛を喰い切られて、キャッと知死期の悲鳴を最後に、手足の指をぶる/\とわなゝかせ、虚空を掴んでバッタリ倒れてしまった。
さあ今度は私の番だ。こう思うと気が気でなく、急いで樽の上へ跳び上がると、狼に着物の裾を咬えられ、恐ろしい力で下からぐい/\引っ張られた。私は真っ蒼になって樽へしっかり掴まって見たが、激しい狼の剣幕に気後れがして、「あゝもうとても助からない」と観念の眼を閉づる間もなく引きずり落され、土間へ仰向きに転げたかと思うと、信一は疾風のように私の首ッたまへのしかゝって喉笛を喰い切った。
「さあもう二人共死骸になったんだからどんな事をされても動いちゃいけないよ。此れから骨までしゃぶってやるぞ」
信一にこう云われて、二人ともだらしなく大の字なりに土間へ倒れたまゝ、一寸も動けなかった。急に私は体の処々方々がむず痒くなって、着物の裾のはだけた処から冷めたい風がすう/\と股ぐらに吹き込み、一方へ伸ばした右の手の中指の先が微かに仙吉の髪の毛に触れて居るのを感じた。
「此奴の方が太って居て旨そうだから、此奴から先へ喰ってやろう」
信一はさも愉快そうな顔をして、仙吉の体へ這い上がった。