Classici giapponesi con furigana
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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
Leggi 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.319 caratteri · 84 schermate
遂に彼はたまらなくなって、榊原の旦那に思いのたけを打ち明け、
「まことに商売柄にも似合わない、いやはや意気地のない次第ですが、たった一と晩でようがすから、どうか一つ旦那の威光でうんと云わせておくんなさい。」
と、頼みました。
「よし来た、萬事己が呑み込んだから、親船に乗った気で居るがいゝ。」
と、旦那は又三平を玩具にしてやろうと云う魂胆があるものですから、直ぐに引き受け、其の日の夕方早速行きつけの待合へ梅吉を呼んで三平の話をした末に、
「ちっと罪なようだが、今夜お前から彼奴を此処へ呼んで、精々口先の嬉しがらせを聞かせた上、肝腎の所は催眠術で欺してやるがいゝ。己は蔭で様子を見て居るから、奴を素裸にさせて勝手な藝当をやらせて御覧。」
こんな相談を始めました。
「なんぼ何でも、それじゃあんまり可哀相だわ。」
と、流石の梅吉も一応躊躇したものゝ、後で露見したところで、腹を立てるような男ではなし、面白いからやって見ろ、と云う気になりました。
さて、夜になると、梅吉の手紙を持って、車夫が三平の処へ迎えに行きました。「今夜はあたし一人だから、是非遊びに来てくれろ。」と云う文面に、三平はぞく/\喜び、てっきり旦那が口を利いていくらか掴ましたに相違ないと、平生よりは大いに身じまいを整え、ぞろりとした色男気取りで待合へ出かけました。