Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

Leggi 澪標・落日の光景 (みおつくし) di 外村 繁 (とのむらしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.889 caratteri · 268 schermate

Aozora Bunko

私はびっくりして、先生の膝から腰を上げた。父の怒りは母に向けられているようである。母が言葉を返す。しかし日常起居を共にしていない父の、突然の怒りに私は縮み上ってしまった。そうして例によって、その後の記憶は喪われている。

何故、父があんなに怒ったのか、私には不思議だった。この出来事は後後まで妙に気にかかった。しかし私にはどうしても理解できなかった。

その頃、私には奇妙な癖があった。人が――それは道一つ隔てた本家から訪ねて来る祖母であろうと、藪入りに在所へ帰る女中であろうと――帰る時、「お見送り」をしなければ承知できないのである。若しもそれを逸すると、私は地団駄を踏んで悔しがる。幼い感傷というより、むしろ病的なものである。

「ほんなら帰るさかいな、おばあさんのよい後姿を、とっくり見てや」

祖母などは帰る度に、そんな風に声を掛ける。何が私にそんなことをさせるのか、私は知らない。しかし私の気持はそんな生温いものではない。そうしてそれを理解してくれない大人達が、ひどく歯痒かった。

次兄に連れられ、日の出を見に行った。門を出ると、幅二メートルばかりの川が流れてい、分厚い花崗岩の橋がかかっている。