Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かやくせん

火薬船

海野 十三

Leggi 火薬船 (かやくせん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.552 caratteri · 124 schermate

Aozora Bunko

「ああ船長。私は、折角ですが、この船から下りたいのであります」

「なにィ……」

虎船長は、あっけにとられて、竹見の顔をあらためて見なおした。

信号旗

「なに、もう一度いってみろ」

船長は虎の名にふさわしく、眼を炯々とひからせて、水夫竹見をにらみつけた。

「はい。私は本船を下りたくあります」

「な、なにをいうか、本船にのりこむ前に、あれほど誓約したではないか。本船にのったうえからは、本船と身命をともにして、目的に邁進すると。ははあお前は、南シナ海の蒼い海の色をみて、きゅうに臆病風に見まわれたんだな」

竹見は、目玉をくるくるうごかしつつ、

「臆病風なんて、そんなことは絶対にありません。私は……」

といっているとき、横から一等運転士の坂谷が

「船長。ノーマ号が、本船に“用談アリ、停船ヲ乞ウ”と信号旗をあげました。いかがいたしましょうか」

「なに、用談アリ、停船ヲ乞ウといってきたか。どれ、向うはどういう様子か」

船長は、ノーマ号の様子をみるため、一旦双眼鏡を目にあてようとしたが、気がついて水夫竹見太郎八の方を向き、

「お前のはなしは、後でよく聞こう。それまでは下にいってはたらいていろ。