Classici giapponesi con furigana
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とうだいき
灯台鬼
大阪 圭吉
Leggi 灯台鬼 (とうだいき) di 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.718 caratteri · 27 schermate
ひどい心気病みですから、もう少し落ちつかないことには、現場が見せられないんです。いやどうも、とんでもないことになりました」
そう言って、風間老看守は、手燭の蝋燭に火をつけようとするのだが、手がふるえて火が消えるので、何度も何度もマッチをすりつづけた。
わたしは今までにも数回この老看守には会っているのだが、こんなに彼が蹌踉としているのを見たのは初めてだ。あの謹厳な古武士のようなおもかげは、いまはもう微塵も見えず、蝋燭の焔を絶えず細かにふるわせながら、わたし達の先に立って、灯台の入口のドアをしずかに開きながら、ふり返って言った。
「……ま、とにかく、現場を一度見てやって下さい」
そこで東屋所長とわたしと三田村技手の三人は、老看守の後につづいて、うす暗い階段室に入った。ところが塔内に入ってドアを締め終った老看守は今度は身をすりつけるようにして急に声をおとすと、訴えるように言った。
「……わたしは、生まれてはじめて、幽霊をみました……」
あのしっかり者で聞えた風間老人までが、うって変ってこのようなことを言うのに、わたしは思わず身の固くなるのを覚えた。
「……いや、初めからお話しましょう」