Classici giapponesi con furigana
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とうみょうのまき
灯明之巻
泉 鏡花
Leggi 灯明之巻 (とうみょうのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.444 caratteri · 47 schermate
」
「うんや、大丈夫でがすべよ。」
「が、見る見るあの白い咽喉の赤くなったのが可恐いよ。」
「とろりと旨いと酔うがなす。」
にたにたと笑いながら、
「麦こがしでは駄目だがなす。」
「しかし……」
「お前様、それにの、鷺はの、明神様のおつかわしめだよ、白鷺明神というだでね。」
「ああ、そうか、あの向うの山のお堂だね。」
「余り人の行く処でねえでね。道も大儀だ。」
と、なぜか中を隔てるように、さし覗く小県の目の前で、頭を振った。
明神の森というと――あの白鷺はその梢へ飛んだ――なぜか爺が、まだ誰も詣でようとも言わぬものを、悪く遮りだてするらしいのに、反感を持つとまでもなかったけれども、すぐにも出掛けたい気が起った。黒塚の婆の納戸で、止むを得ない。
「――時に、和尚さんは、まだなかなか帰りそうに見えないね。とすると、位牌も過去帳も分らない。……」
「何しろ、この荒寺だ、和尚は出がちだよって、大切な物だけは、はい、町の在家の確かな蔵に預けてあるで。」
「また帰途に寄るとしよう。」
不意に立掛けた。が、見掛けた目にも、若い綺麗な人の持ものらしい提紙入に心を曳かれた。またそれだけ、露骨に聞くのが擽ったかったのを、ここで銑吉が棄鞭を打った。