Classici giapponesi con furigana
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とうみょうのまき
灯明之巻
泉 鏡花
Leggi 灯明之巻 (とうみょうのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.444 caratteri · 47 schermate
打あけて言えば、渠はただ自分勝手に、惚れているばかりなのである。
また、近頃の色恋は、銀座であろうが、浅草であろうが、山の手新宿のあたりであろうが、つつしみが浅く、たしなみが薄くなり、次第に面の皮が厚くなり、恥が少くなったから、惚れたというのに憚ることだけは、まずもってないらしい。
釣の道でも(岡)と称がつくと軽んぜられる。銑吉のも、しかもその岡惚れである。その癖、夥間で評判である。
この岡惚れの対象となって、江戸育ちだというから、海津か卵であろう、築地辺の川端で迷惑をするのがお誓さんで――実は梅水という牛屋の女中さん。……御新規お一人様、なまで御酒……待った、待った。そ、そんなのじゃ決してない。第一、お客に、むらさきだの、鍋下だのと、符帳でものを食うような、そんなのも決して無い。
梅水は、以前築地一流の本懐石、江戸前の料理人が庖丁をびさせない腕を研いて、吸ものの運びにも女中の裙さばきを睨んだ割烹。震災後も引続き、黒塀の奥深く、竹も樹も静まり返って客を受けたが、近代のある世態では、篝火船の白魚より、舶来の塩鰯が幅をする。正月飾りに、魚河岸に三個よりなかったという二尺六寸の海老を、緋縅の鎧のごとく、黒松の樽に縅した一騎駈の商売では軍が危い。