Classici giapponesi con furigana
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とうみょうのまき
灯明之巻
泉 鏡花
Leggi 灯明之巻 (とうみょうのまき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.444 caratteri · 47 schermate
で静かな波のひと処、たちまち濃い萌黄に色が変った。微風も一繊雲もないのに、ゆらゆらとその潮が動くと、水面に近く、颯と黄薔薇のあおりを打った。その大さ、大洋の只中に計り知れぬが、巨大なるの浮いたので、近々と嘲けるような黄色な目、二丈にも余る青い口で、ニヤリとしてやがて沈んだ。海の魔宮の侍女であろう。その消えた後も、人の目の幻に、船の帆は少時その萌黄の油を塗った。……「畳で言いますと」――話し手の若い人は見まわしたが、作者の住居にはあいにく八畳以上の座敷がない。「そうですね、三十畳、いやもっと五十畳、あるいはそれ以上かも知れなかったのです。」と言うのである。
半日隙とも言いたいほどの、旅の手軽さがこのくらいである処を、雨に降られた松島見物を、山の爺に話している、凡杯の談話ごときを――読者諸賢――しかし、しばらくこれを聴け。
二
小県凡杯は、はじめて旅をした松島で、着いた晩と、あくる日を降籠められた。景色は雨に埋もれて、竈にくべた生薪のいぶったような心地がする。屋根の下の観光は、瑞巌寺の大将、しかも眇に睨まれたくらいのもので、何のために奥州へ出向いたのか分らない。