Classici giapponesi con furigana
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はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Leggi 灰色の記憶 (はいいろのきおく) di 久坂 葉子 (くさかようこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.588 caratteri · 132 schermate
「お母さんに云いつけます」
この言葉で私はすっかりまいってしまい、平謝りに謝った。先生は、私の机の中にのこっていたものを一切文具屋に返しに行ってくれた。私はその日から、立派な金銀の甲冑をはがされた武士のようになってしまった。休み時間に遊ぶ気もなく、ひとりしょんぼりしていた。もう誰も私を尊敬してくれず、取りまいてもくれなかった。試験をみせてくれる友達も居なくなった。
しかし、私は規則をまもらないことや、嘘をつくことは、やめられなかった。そのため私は教場でたびたびたたされた。頭の上に、重い謄写版の鑢をのせられ、一時間中黒板の横にたったこともあった。しかし別に恥しいとは思わなかったし、たたされながら、他のことをかんがえていた。
その頃の私のたしなみの一つに、物を誇張して人に伝えることがあった。学校で生じた些細なことを、引伸しくりひろげて家の人達に話す。父や母は面白く或いは悲しげにそれをきく。自分の出来事でも、それを非常に強調するのであった。遠足に行って冒険をした。岩崖をはい上った。階段から飛び降りそこねて脚を打った。近所の子供が蛇を私の首にまきつけた。