Classici giapponesi con furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Leggi 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) di 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.035 caratteri · 207 schermate
ゆっくりと三本のローソクをともし終ると、室内が明るくなり、テーブルの上方の壁にはられた古い銅板のキリスト図が見える。
老婆 お願い申しますよ先生。
ヴィン う?
老婆 シモンのためにお祈りをあげてくださいまし。
ヴィン シモン?……(そのへんをキョトキョト見まわしているうちに不意に思い出して)……ああ、そうだった。(立ってゴトゴトとテーブルの方へ行く)
老婆 お金は一文もねえから、なんにも、へえ、お供えは出来ねえ。ホンの、まあ、わしの心持だけだ、これを、へえ、(と紙包みをガサコソと開けて、差し出す)たった一つだけんど、粉をお隣りから借りてね、わしが焼いたパン菓子だ。どうかまあ先生、めしあがってくだせえ。
ヴィン そりゃ、どうも……そう、そいじゃ、お祈りをしようか。ええと――(ポケットから聖書を出して、ローソクの前に立つが、それでは恰好がつかないので、近くの椅子を引き寄せて掛け、膝の上のパン包みの上に聖書を開くが、ゴロゴロするので、パンだけを取ってローソクのわきに置き、祈りに入るために壁の上のキリスト図に眼をやる)
老婆 ……(ヴィンセントのすることを眼で追って、これから祈祷がはじまることを知って椅子を立ち、ローソクに向って床の上に膝を突き、キリスト図を見て)なあシモンや、お前のために先生とおっ母あがお祈りをしるだよ。