Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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むめいさっかのにっき

無名作家の日記

菊池 寛

Leggi 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.441 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

従って、皆脂が乗りかかっている。それについては君だが、僕たちは、君が京都で独りぼっちでいることに対し大いに同情をしている。『×××』発刊の時にも、君をぜひ同人に入れなければならないのだが、君が東京におらぬため、ついいろいろ差支えがあって、やむなく君を入れることができなかった。僕たちは、それを非常に遺憾に思っている。が、この頃は僕もほかの雑誌から原稿を頼まれるし、桑田も近々ほかの雑誌に書くだろうから、『×××』は自然誌面に余裕ができるので、君の作品も紹介し得る機会がたびたび来るだろうと思う。だから、君もいいものがあったら、遠慮しないでどしどし送ってくれ給え。むろんあまりひどいものは困るが、水準以上のものなら欣んで紹介するから」

この手紙を読んだ時、俺は今まで山野に対して懐いていた嫉妬や反感を恥かしいとさえ思った。俺が山野の世に現れていくのを呪っている間に、山野は俺のために好意ある配慮をなすことを忘れなかったのだ。彼らに対して意地を立てているよりは、彼らに接近して「×××」に作品を発表した方が、どれほどよいことだかわからなかった。山野の手紙を見た時、今まで俺には遮られていた光線が、初めて温く俺の身体を包むような気がした。