Classici giapponesi con furigana
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むざんやな
無惨やな
久生 十蘭
Leggi 無惨やな (むざんやな) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7601 caratteri · 16 schermate
なかでも犬塚又内は抜群の功績とあって、褒美として持高六百石に四百石を加増し、公用人役を免じて、江戸家老職を申しつけた。
夕景に及ぶと、宴はいよいよ爛熟し、主従同列に盃を舞わして、歓をつくしているうちに、首席国家老の川合蔵人だけは、盃もとらず、苦虫を噛んだような渋っ面で腕あぐらをかいて、むっつりと控えている。
佶屈と肩を怒らせ、皺の中から眼を光らせているような見てくれの悪い癇癪面の老人で、常住、黒木綿の肩衣に黒木綿の袴をはき、無反の大刀をひきつけている。酒井に蔵人ありといわれる化顕流の居合の名人だが、狷介固陋の性で、人にはあまり好かれないほうである。
雅楽頭はゆったりと盃をあけながら、チラチラと川合蔵人の顔をながめていたが、今日の慶事に、あまりにもそぐわないようすをしているので、たまりかねて、上段の間から声をかけた。
「蔵人、いっこうに酒がはずまぬようだな」
蔵人は腕あぐらをとくと、膝の上に手をおき、
「なかなかもって」
と裏の枯れた渋辛声でつぶやいた。
「お家の大変というのに、どうして浮かれていられましょうや」
聞きとがめて、雅楽頭が問いかえした。
「これは耳障りな。