Classici giapponesi con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
」
ななめに振り返って、受け取った大次郎。
「これは千万! ありがたく拝借いたします。」
自分の佩刀と差しかえて、残して行く刀は、千浪の手へ。
千浪はそれを、人形のように両袖に抱き締めて、父娘は土間の上り框まで、大次郎を送って出る。
大次郎の腰には、兼安の朱鞘と、かれの蝋ざやの小刀と、異様な一対をなして。
「くれぐれも言うておくが、大次、けっしてその兼安を抜いてはならぬぞ。抜けば血を見る。や、こりゃ、わしとしたことが、門出に不吉な! 千浪、許せ。ははは、気に留めるな。じゃが、大次郎、刃元に浮かぶ一線の乱れ焼刃、刀面に、女の髪の毛と見えるものが、ハッキリ纏わりついておる。人呼んで女髪兼安、弓削家代々の名刀じゃ。しかし、必ずともに、その女髪を見んとて、鯉口三寸、押し拡げるでないぞ。抜かぬ剣、斬らぬ腕、そこが法外流の要諦じゃ。女髪を覗いて、伝えらるるがごとく、邪心を発し、渦乱を捲き起してはならぬ、よいか。」
「女髪兼安の由来、かねがね承わって存じております。抜きませぬ。御免!」
「おう、行くか。」
「お気をつけなされて。」
阿波の住人、右近三郎兼安鍛えるところの女髪剣。