Classici giapponesi con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
」
「見上げたものだ。」ふっと眼を外らした大次郎、「江上はいかがいたしたのであろう。あの佐助が、きょうの会合を忘れるはずはないが――。」
と言った顔には、遣り場のない淋しさが、大きく描かれてあった。
草の文
「さようでげすな。」
宗七は軽薄な表情で、わざとらしくそこらを見まわしながら、
「あの江上の先生が、今日という日をすっぽかすわきゃあござんせんが。はてな――。」
けれど、いくら眺めわたしても、狭い山上は一眼である。人といっては、大次郎と宗七の二人きりで、思い出したように雨に濡れた小鳥の声――。
陽は、もう高く上りかけて、三国神社の檐に、雨垂れの粒が七色にかがやいている。しいんと、耳を突き刺すような山奥のしずけさを破って、峰から峰へ濃みどりの風が吹いて渡る。
大次郎は眼を返して、じっと宗七の顔を見つめていた。
「有森。いや、宗七どのか。拙者のことは後刻話すが、この七年のあいだ、貴殿は何をしておられたかな?」
すると宗七は、もうすっかり芸人のふうが身に染みわたっているに相違ない。まるで生れからの恋慕流しか、未知の武士の前へ出たように、おずおずと頸すじを撫でて、