Classici giapponesi con furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Leggi 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.653 caratteri · 98 schermate
不承不承にタラップへ乗附けると忽ち歓呼の声湧くが如き歓迎ぶりだ。すぐに甲板へ引っぱり上げられて先ず一杯、先ず一杯と盃責めにされる。モトヨリ内兜を見せる吾輩ではなかったので、引つぎ引つぎ傾けているうちに、忘れるともなく友吉親子の事を忘れていた。
そのうちに慶北丸はソロリソロリと沖合いに出る。美事な日本晴れの朝凪ぎで、さしもの玄海灘が内海か外海かわからない。絶影島を中心に左右へ引きはえる山影、岩角は宛然たる名画の屏風だ。十月だから朝風は相当冷めたかったが、船の中はモウ十二分に酒がまわって、処々乱痴気騒ぎが初まっている。吾輩の講演なんかどこへ飛んで行ったか訳がわからない状態だ。……そのうちに吾輩はフト思い出して……一体、友吉親子はドウしているだろうと船尾へまわってみると、船の艫から出した長い綱に引かれた小舟の上に、チョコナンと向い合った親子が、揺られながらついて来る。何か二人で議論をしているようにも見えたが、吾輩が、
「オーイ。酒を遣ろうかあア……」
と怒鳴ると友吉親仁が振り返って手を振った。
「……要りませえん。不要不要。それよりもこっちへお出でなさあアイ」