Classici giapponesi con furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Leggi 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.653 caratteri · 98 schermate
同時にこの素晴らしい爆薬の取次網を蔽うべく、内地、朝鮮の有力者連中が、如何に非国家的な黒幕を張り廻わしているかが、アリアリと吾輩の眼底に映じて来た。友吉おやじの云い遺した言葉が、マザマザと耳に響いて来て、ペンを持つ手がブルブルと震え出すようになった。……そうだよ。或は酒精中毒から来た一種の神経衰弱かも知れないがね。しまいにはボンヤリしてしまって、ワケのワカラナイ泪ばかりがボロボロ落ちて来るんだ。コンナ事ではいけないと思って、焦せれば焦せるほど筆がいう事を聞かなくなるんだ。呑兵衛老医も心配して、
「そいつは立派な動脈硬化じゃ。萎縮腎も一所に来ているようじゃ。漢法に書痙という奴があるがアンタのは酒痙じゃろう。今に杯が持たれぬようになるよ。ハハハハ。とにかく暫く書くのを止めた方が宜え。そうなるとイヨイヨ気が急くのが病気の特徴じゃが、そこで無理をしよると脳髄の血管がパンクする虞れがある。そうなったら万事休すじゃ。拙者もアンマリ飲みに来んようにしよう」
といったアンバイで、気の毒そうに威かしやがるんだ。
そこで吾輩も殆んど筆を投ぜざるを得なくなった。刀折れ、矢竭きた形だね。