Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Leggi 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.908 caratteri · 204 schermate

Aozora Bunko

なにしろ、黒川の怪我の程度が、はっきりしないので、房枝は心配であった。今、黒川にどうかなってしまわれると、せっかく息をふきかえした、新興ミマツ曲馬団の全員が、また路頭に迷わなければならない。だから、房枝は、黒川をまもり、そして彼に、一刻も早く医師の手当をうけさせたいと思ったのである。

そのために、彼女は、心ならずも、帆村のそばを車で通りすぎてしまったのだ。もっとも彼女は、運転台のターネフに向かい、車をとめてくれるようにとこえをかけたが、ターネフはそれがわからないらしく、車は、ずんずんとスピードをあげていったのだった。

それに、そばにいるニーナが、

「お嬢さま。しんぱいいりません。よいドクトルをしっていますから、その人にみせましょう。わたくしが、手落なくしますから、しんぱいいりません」

と、しきりに房枝をなぐさめたのであった。

「ええ、どうか、一刻も早く、医師にみせていただきたいのです。これは、あたくしたちの大事な主人ですから」

「わかります。よくわかります」

美しいニーナは、うなずいた。

自動車は、附近の病院の門をたたくかと思っていたのに、そのままずんずん山の手の方へ走って、やがて今もいったように、大きな洋館の、玄関についてしまったのである。