Classici giapponesi con furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Leggi 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.908 caratteri · 204 schermate
「原籍をいいなさい」
「原籍は存じません。あたくし、あたくしは、捨子なんです」
「捨子だって、君がかい」
係官は、眼鏡越しに、目を光らせた。原籍を知らぬ奴はあやしい。
「でも、おかしいじゃないか。君の話だと、この前、日本を出発して外国へ渡航したそうだね。そのとき、もし原籍を書かなければ、旅行は許可されないよ。そのとき、原籍はどこと書いたか、それをいいなさい」
係官は、明らかに、房枝を、うたがっている様子であった。
そうでもあろう、房枝は、日本人ばなれした大きなからだの持主だったし、皮膚の色も、ぬけるような白さだったし、外国で覚えた化粧法が、更に日本人ばなれをさせていた。
「団長さんと、別れ別れになってしまったものですから、よく覚えていないのですわ」
「それじゃ、君が日本人たることの証明が出来ないじゃないか。え、そうだろう」
「まあ、あたくしが、日本人じゃないとおっしゃるのですか。ひどいことをおっしゃいますわねえ」
「その証明がつかなければ、ここは通せない」
「では、あたくしたち、ミマツ曲馬団の仲間の人に、証明していただきますわ」
それから房枝は、いろいろと願って、生残りの団員たちを呼びあつめてもらった。