Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ちち

父

芥川 竜之介

Leggi 父 (ちち) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3380 caratteri · 7 schermate

Aozora Bunko

その癖頸のまわりには、白と黒と格子縞の派手なハンケチをまきつけて、鞭かと思うような、寒竹の長い杖をちょいと脇の下へはさんでいる。服装と云い、態度と云い、すべてが、パンチの挿絵を切抜いて、そのままそれを、この停車場の人ごみの中へ、立たせたとしか思われない。――自分たちの一人は、また新しく悪口の材料が出来たのをよろこぶように、肩でおかしそうに笑いながら、能勢の手をひっぱって、

「おい、あいつはどうだい。」とこう云った。

そこで、自分たちは、皆その妙な男を見た。男は少し反り身になりながら、チョッキのポケットから、紫の打紐のついた大きなニッケルの懐中時計を出して、丹念にそれと時間表の数字とを見くらべている。横顔だけ見て、自分はすぐに、それが能勢の父親だと云う事を知った。

しかし、そこにいた自分たちの連中には、一人もそれを知っている者がない。だから皆、能勢の口から、この滑稽な人物を、適当に形容する語を聞こうとして、聞いた後の笑いを用意しながら、面白そうに能勢の顔をながめていた。中学の四年生には、その時の能勢の心もちを推測する明がない。自分は危く「あれは能勢の父だぜ。